碁盤の目のように規則正しく植えられた畑の野菜は、人の手による品種改良、適当な散水と定期的に行う農薬散布、大量に与えられた人工肥料がなければ成長することができない。
一応、生産者は政府公認の薬剤で、畑の野菜を育てている。農家で作られた商品はスーパーの店頭に並べられ、ビタミン源として、私たちの口の中に入る食べものとなる。
店頭に揃えられた新鮮な野菜は確かに旨そうに見える。だが、本当に食べて安全なのか? 虫食いのないキャベツ、ホウレンソウなど人間が育てた品物に、私はいささかの疑問を投げ掛けない訳にはいかない。
農作業で生産された農作物と較べ、正反対の性質の持ち主が山菜である。その理由をひとことでいうのは極めて難しいが、みずからのエネルギーで発芽し、落葉の自然腐敗した腐葉土と天から降り注ぐ自然水、光エネルギー利用の光合成のみで自生できる、山人による「食べてうまい」山地野生植物群を一般に山菜と呼んでいる。
現在、「繊維質摂取が健康によい」薬膳、自然食ブーム真っ最中、山からの恵みである山の幸を求め、たくさんの人たちが山にはいるようになった。天然で育つ無公害の野菜だから、老若男女を問わず皆様の期待は年々大きくなっている。
植野稔の山釣りシリーズ3から部分加筆。