山地トレッキングする際、たくましく育つ山菜との遭遇は楽しい。
最近、同じ場所で同じ量の山菜があるはず? それは過去の話。多年草なのに山菜の自生地では毎年その数は減少している。理由は様々ある。限られた山菜生産資源を上まわる、山菜収穫があったからだ。
山菜とはいっても毎年、手足をもがれてしまえば、翌年への養分を十分に蓄えることができず、次第にやせ衰えてしまう。
山菜生産量の減少を悔い止める最大のポイント、それらを解決する手段はひとつ。「旬の山菜」のみを収穫する。これだけ採集者が義務をはたすマナーを守ることが大切だ。
あらゆる食品には食べごろ、すなわち旬がある。山菜のウドを例にとって、正解のウド狩り法を披露し、山菜増殖の手助けとしたい。
山地ウド自生地をみわたすと、大小さまざまな形の植物群に混じって、目的のウドを発見できる。そのなかで茎が太く若いウドをターゲットに選ぶ。
仮にウドが5本でていた場合、2~3本を対象に収穫する。一般的には茎をナイフで切断するのだが、山の生活者は茎の部分を手で折っていた。大事なことはウドの柔らかい、うまそうな部位を手の感触で確かめ、切断位置を決めて切る。こうすれば無駄がなく、最小限の山菜採集ですみ、山菜資源保護につながる。また、利用しない枝葉も切り捨て現地においていく。
以上の手法で採集されたウドは一本の棒状になり、先端はてんぷら、茎の皮はきんぴら、中身は油炒めに使う。このような持ち帰りを実行すれば、小規模とはいえ自然環境破壊を避けてくれる。更に、毎年繰り返す同じ場所でのウド狩りを止め、自生地植物を休養させ、養分を蓄えさせてやる。無尽蔵にみえる山菜も有限である認識を持つ。
要するに、旬のウドの可食部位のみを収穫、山菜に対する優しい気持ちをもって接するようにしたい。仮に山菜全体を持ち帰ってしまえば、茎の硬い部位、枝葉の食べられない部分を自宅で捨てることになる。
また、追芽することなく当年を休眠してしまう、カタクリ、ギョウジャニンニクなどは2~3年に一回を採集年とする。あるいは同一山菜自生地を異なる地に求める。
問題はまだある。国立公園、国定公園、都道府県の自然公園、自然保全保護区、山村共有林、私有地での山の幸採集はできない事実を入山の心得としたい。